金融大激震。再生へのシナリオを読む。特別インタビュー

  • Part1 今後の見通し
  • Part2 個人はどうする
  • Part3 「情報力」を高める
成瀬順也氏

米国株式は、年末~年初に反転する可能性が高いがあくまで緩慢な上昇を予想。

成瀬氏は、米国株式反発の3条件として(1)金融機関対策、(2)景気対策としての利下げ、(3)新たな財政政策を挙げている。そして、この3条件が揃い、株価が反転するタイミングについてこう述べている。「(1)については、10月に大手9行への資本注入が発表されたことでクリアされました。(2)の利下げについてですが、年内にも景気対策のためのもう一段階の利下げが実施される可能性が高いと思います。残るは、(3)ですが、これは、11月4日の大統領選挙後、新大統領に選ばれた候補者の選挙期間中の主張に基づき、新たな景気対策の骨格が形づくられることになります。

そうなると、景気対策に対する期待から、それまで乱高下しつつ下落基調にあった株価も、それ以上は下落しづらくなり、2009年1月20日に新大統領が就任し、景気対策が正式に発表される前に、株価は上昇トレンドに反転する可能性が高いと思います」。一方で、「反転といっても、急激に回復するわけではなく、戻りはかなり緩慢なものとなる可能性が高いでしょう」と成瀬氏は予測する。

成瀬順也氏の想定シナリオ

米国景気の本格的回復は、再来年以降。円高が進み、日本経済も苦しい局面が続く可能性大

株価には、景気に先行して上昇する性質がある。特に米国の場合、「これまでの実績を見ると、景気悪化に伴い、利下げを複数回行った時点で株価が常に反発しており、景気もそれから半年ぐらい先には底打ちしている」と成瀬氏は言う。したがって、スパイラル的に米国の株価が下落し、景気も悪化し続けるのではという不安は行き過ぎた悲観論というものだろう。けれども、株価や景気が底打ちしたとしても、本格回復にはかなりの期間がかかりそうだ。

成瀬氏も、「米国の個人消費の中でも大きな割合を占める住宅市場の冷え込みが、来年以降も景気の足を引っ張り続ける可能性が高い」と言う。「今年の後半から来年前半にかけてはマイナス成長、来年後半が1~2%程度の成長率になると見込まれています。本来、米国の潜在成長率は、3~3.5%と言われていますが、その水準に達するのは再来年以降になるでしょう」。また、「決して良いとは言えないものの、米国や欧州ほど経済状態が悪くない日本の円が買われ、円高・他国通貨安のトレンドが続く可能性が高く、海外市場の低迷と円高という要因により、輸出依存型の日本経済にとっても厳しい局面が続く」という予測だ。

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