個人投資家にとっては投資スタンスを明確にする契機に

  • Part1 今後の見通し
  • Part2 個人はどうする
  • Part3 「情報力」を高める
成瀬順也氏

長期または限られた期間内でリターンを狙うかで投資対象も戦略も変わってくる

世界的に景気が後退し、先行き不透明感が高まる中で、個人投資家は、どのようなスタンスで投資に臨めばよいのだろうか? 成瀬氏は、どの程度の期間でリターンを狙うかを明確に定める必要があるとアドバイスする。「たとえば、長期的な視野で金融資産の安定的な成長をめざすのであれば、目先の市場の変動をあまり気にせず、市場全体を対象に投資する、インデックスファンドのような商品を定期的に少しずつ買い付けていく方法が一番よいでしょう。株式市場の反転が予測される今年後半から来年前半にかけては、インデックスファンドでの投資を始めるのには良いタイミングです」。

一方、ある程度限られた期間で、市場平均を上回るパフォーマンスを狙う場合、これまで以上に投資対象の細かな選別が必要になるという。「たとえば、先進国株式であれば、景気が弱い間は、景気敏感株は下落リスクが相対的に大きくなります。また、BRICSなど新興国株式もこれまでのようにすべての国が一様に上昇するというわけではなく、資源産出国か、資源利用国かでパフォーマンスが変わってくるでしょう。このように投資対象ごとのパフォーマンス格差が大きくなることが予測されるため、景気回復フェーズ別にどれに投資をするかを細かく選別する必要があります」。

投資対象別アドバイス

マクロ、ミクロの複眼的な視野での情報収集が資産運用を成功に導くカギとなる

投資対象ごとに運用パフォーマンスに差が出てくる時代。個人投資家も、限られた期間で満足のいくリターンを得たいと思えば、よりきめ細かな情報収集をする必要がある。不透明な投資環境の中でも、資産運用を成功に導くための情報収集のコツを最後に成瀬氏に尋ねてみた。

「先ずは、できるだけマクロ的な視野に立ってグローバルに全体像を把握することが必要です。たとえば、日本の景気は欧米よりも良いのに、なぜ、日本株が米国株式よりも売り込まれているかを考える場合でも、外需依存型の日本経済にとって欧米の景気後退や、円高が与える影響など、大局的な視野で捉えることが必要です。そして、すでに紹介したように、ある程度限られた期間でより高いパフォーマンスをめざしたいという場合、投資対象によるパフォーマンスの違いを的確に予測するために、国別、銘柄・投資商品別というように、よりミクロな視野に立った情報収集が必要になります。今後は、どれだけ情報収集や分析に力を入れるかが資産運用を成功に導くカギとなるのではないでしょうか」。

投資対象の見究めには豊富な情報と分析ツールが必須
成瀬順也氏 株式会社 大和総研 シニアストラテジスト

米国株式の分析を行いながら、より広範にグローバル投資戦略の策定を担当するストラテジスト。
鋭い分析眼と明快な解説で数多くのファンを持つ。趣味は「ワイン、日本酒、焼酎、仕事」と語る一面も。

 

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