四季報×MSN 特別企画『世界経済の潮流を読む』

第一弾 現在の金融危機を読み解く 第ニ弾 過去の東洋経済より大恐慌を読む

なぜ、大恐慌が起こったのか


米国の不動産バブルが崩壊して顕在化したサブプライムローン問題、そしてサブプライムローン債権などを組み込んだ証券化商品の暴落は、まさにグローバルな規模で金融や実体経済に大きな影響を与えています。 そのため、ニュースでは100年に一度の形容が付くなど、1929年の大恐慌を引き合いに出した論調が目立ちました。
確かに、類似点もありますが、これから長期にわたって恐慌が世界を襲い、街に失業者があふれるといった状況にはならないでしょう。
大恐慌の背景を簡単におさらいしましょう。1918年に終結した第一次世界大戦によって、ヨーロッパ諸国は荒廃し、多額の債務を背負いこみました。

一方、債権国となったアメリカは、1920年代に自動車産業の躍進、重工業の発展、帰還兵による消費の拡張、ヨーロッパへの輸出の増加などによって「永遠の繁栄」と呼ばれる経済的好況を手に入れました。 しかし、過剰生産によって実体経済が停滞する一方で、投機熱と株価高騰の連鎖によってバブルが発生。遂に、大恐慌が始まった日として歴史に刻まれている、1929年10月24日「暗黒の木曜日」を迎えることになりました。 大恐慌は、株価の暴落だけではなく、同時に世界中で金融機関同士の不信を増幅させ、資金が流通しない信用収縮を引き起こしました。経済の血液ともいえる資金が循環しないために、経済が重度の機能不全に陥りました。 各国で取り付け騒ぎが起こり、金融機関が破綻する。 そして、それぞれの国は内向きになりブロック化していく。 各国が自国の利益だけを考えて反目し合い、関税引き上げや移民制限といった政策を打つ。いきおい、最悪の選択肢として、第二次世界大戦に突入することになります。