四季報×MSN 特別企画『世界経済の潮流を読む』

第一弾 現在の金融危機を読み解く 第ニ弾 過去の東洋経済より大恐慌を読む

まったく異なる金融危機の対応


「株価暴落」や「信用収縮」、「金融機関の破綻」というキーワードだけにとらわれると、大恐慌と現在の金融危機は同じ様相に見えます。しかし、金融危機という事態に対する世界の対応はまったく異なることは言うまでもありません。
まず、先進国同士の戦争という選択肢がない今、世界の先進諸国は協調することによって金融危機や景気後退に対峙していこうという態度を鮮明にしています。
各国の協調利下げによる金融の緩和、金融機関への資本注入、中央銀行による流動性確保のための資金供給などが、スピーディに実行されていることが何よりの証しです。

こうした対策は先進国だけではなく新興国も交えて対応策を協議し、実施していることも大きな進歩ではないでしょうか。そして、大恐慌時に比べて経済学の発達もあげられます。
金融政策や財政政策が果たす効果や役割を明らかにする知見が、各国がとる政策の精度を高めています。 もう一つの大きな違いは、制度によって人間の欲望をコントロールできると信じた社会主義の実験に対してすでに答えがでたことです。人間の欲望をエンジンに成長していく資本主義のほかに選択肢がないなかで、この制度を磨いていくしか道はないのです。健全な株式市場こそが成長の原動力である。この理解を世界が共通の価値観として認めている点が、1929年の大恐慌との決定的差異だと考えます。

福田啓太氏 プロフィール

FPアソシエイツ&コンサルティング
エグゼクティブディレクター
1958年生まれ
1981年立命館大学産業社会学部卒、日興證券入社。
1999年FPアソシエイツ&コンサルティングの設立に参画。
CFP認定者(日本FP協会上級FP)、CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。
「冷静で幅広い視野と長期的な観点」からのコンサルティングにはファンも多い。